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宇佐美 晋; 岸本 安史; 谷中 裕; 前田 茂貴
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors; Unifying Theory and Experiments in the 21st Century (PHYSOR 2016) (USB Flash Drive), p.3263 - 3274, 2016/05
本論文は、高速実験炉「常陽」のMK-II炉心における2体の使用済MOX燃料集合体の崩壊熱測定結果との比較、及び類似コードのORIGEN2.2による計算結果との比較により、JENDL-4.0ライブラリ等の最新の核データライブラリを用いたFPGS90コードの新たな崩壊熱評価手法の妥当性を確認した結果について述べたものである。また、崩壊熱評価手法の合理的な不確かさ幅を評価して設定した。使用済MOX燃料集合体の崩壊熱測定値は、40日から729日の間の冷却時間で、144524Wから1589Wの範囲であった。JENDL-4.0ライブラリベースのFPGS90による崩壊熱計算値(C)は、その測定値と計算誤差の範囲内で一致し、そのC/E値は1.01から0.93の範囲であった。また、FPGS90コードは、ORIGEN2.2コードよりも崩壊熱を約3%大きく評価し、ORIGEN2.2コードと比較して崩壊熱C/E値の改善が見られた。さらに、JENDL-4.0ライブラリベースのFPGS90コードによる崩壊熱C/E値は、JENDL-3.2ライブラリベースに比べて改善し、このライブラリの改善効果への反応断面積の寄与は、崩壊データ及び核分裂収率データライブラリの寄与に比べて支配的であることがわかった。
Szogradi, M.*; 長家 康展
no journal, ,
第四世代原子炉概念の開発のため、VTTにおいて新ノード法拡散ソルバーが開発されている。その原子炉炉心解析では、モンテカルロ法で群定数を生成し、拡散ソルバーで炉心計算する二段階手法が用いられる。この手法に対する妥当性を評価するため、国際炉物理実験ベンチマークハンドブックで公開されている常陽MK-I炉心の解析を行った。常陽MK-I炉心の群定数を得るためにSerpentモンテカルロコードを用い、その群定数をAntsの入力データとして用いた。中性子スペクトルと出力分布を比較し、Antsコードの一般的な性能評価をするため、SerpentとMVPモンテカルロコードの三次元全炉心モデルによる計算も実施し、三次元Ants常陽モデルを用いて得られた結果と比較した。この比較はAntsノード法拡散ソルバーの高速炉体系に対する初めての妥当性評価となるのものである。